このコースは1学年ごとに3、4名の生徒が入学を許可されます。私の同期は、ギリシァ人、サウジアラビア人、日本人といった国籍構成で上級生、下級生を含めるとスペイン、イタリア、ポルトガル、ロシア、スウェーデン人と非常にバラエティに富む多国籍な構成となっていました。そのため文化や考えかたの違いもあり、相互理解には時間がかかることもありました。しかし、上下関係に関わらずディスカッションできる事はお互いにとっての最高の刺激となり、皆よき仲間でありライバルでもありました。そんな仲間に恵まれたお陰で、過酷な最終試験も無事に合格し、歯周病/インプラント学のスペシャリストとして認定されることとなったわけです。
『Back to the basic』、3年間で基礎医学を幅広く学び、多くの文献を読み漁ることにより、批判的に論文を解釈する訓練もおこなってきました。スウェーデンの保険制度に則り、無駄の無い、科学的根拠に則ったシンプルな治療がスムーズにできるようになりましたが、日本の制度や日本人のメンタリティを考慮した治療も重要であると考えています。治療というのは、その国における保険制度、社会的背景、宗教観など様々なファクターが複雑に絡み合い、治療方針が決定される、そういったことを実際に肌で感じながら治療に携わる事ができたことは大きな収穫となりました。